食べない・好き嫌い

犬の涙やけが解消した子は、何を変えたのか。実際のご相談から

目次

「犬 涙やけ 治った」で検索して、ここにたどり着かれたのだと思います。

知恵袋やブログをいくつか読んでも、ある人は「フードを変えたら2か月で消えた」と書いていて、別の人は「3年変えても何も変わらなかった」と書いてあります。

結局うちの子はどちらなのか、分からないままですよね。

お料理教室やご相談のなかで、目の下が落ち着いていったわんちゃんを何頭も見てきました。

そして、落ち着いたわんちゃんには共通点があります。

何か1つの特別なものを使ったわけではなく、変える順番が同じでした。

この記事では、実際のご相談をもとに、解消していった子が何を、どの順番で、どれくらいの期間かけて変えたのかをまとめました。

マンマボーノで料理教室をひらき、5,000頭以上の犬猫のごはんのご相談に向き合ってきた経験をもとに書いています。

犬の涙やけが解消した子に、共通していたこと

先に結論からお伝えします。

目の下が落ち着いていった子には、次の3つが共通していました。

  • 変えたのは1つではなく、変える順番が決まっていた
  • 食事に手をつける前に、目の下が濡れている時間を減らしていた
  • 2か月から3か月のあいだ、同じやり方を続けていた

逆に言うと、変わらなかった子の多くは、この3つのどれかが抜けています。

いちばん多いのは、食事をいきなり変えて、1か月で見切りをつけてしまうパターンです。

変えたのは1つではなく、順番だった

涙やけは、涙の量と、涙が目の下に残っている時間の2つで決まります。

この2つは別々の要素なので、片方だけを変えても見た目はなかなか動きません。

たとえば、ごはんを変えて涙の量が少し減ったとしても、拭き取りをしていなければ目の下は濡れたままなので、色は残り続けます。

反対に、毎日ていねいに拭いていても、涙そのものが多いままだと、拭いたそばからまた濡れてしまいます。

落ち着いていった子は、残っている時間を先に減らして、そのうえで涙の量に手をつけていました。

順番が逆になると、何が効いたのかも分からなくなります。

食事に手をつける前に、濡れている時間を減らしていた

ご相談でいちばん多いのは、まずフードを変えたいというご希望です。

気持ちはよく分かりますが、濡れている時間が長いままだと、食事を変えたぶんが見た目に出てくるまでに時間がかかってしまいます。

拭き取りは今日から始められて、お金もかかりません。

先にここを整えておくと、あとから食事を変えたときに、変化が目で分かるようになります。

順番を逆にして、先にフードを替えてしまった方のご相談もよくいただきます。

そうすると、2か月たっても見た目が変わらないので、合わなかったと判断して次のフードを探すことになります。

実際には濡れている時間が長いままなので、どのフードに替えても同じところで止まってしまいます。

2か月から3か月、同じやり方を続けていた

涙やけの色は、毛に染み込んだものなので、今日ついた色が明日消えることはありません。

変わるとしたら、新しく伸びてくる毛が白いままかどうか、という形で現れます。

犬の顔まわりの毛が入れ替わるには、どうしても数か月かかります。

ですので、判断するのは2か月から3か月たってからです。

1か月で結論を出してしまうと、ちょうど変わりはじめたところでやめることになってしまいます。

ポイント

すでについてしまった色を消すのではなく、これから伸びてくる毛を白いままにする。

涙やけの見方をこう置き換えると、やることと待つ期間がはっきりします。

実際のご相談で多い、3つのパターン

解消していった子のご相談を振り返ると、きっかけになっていたことは、だいたい次の3つに分かれます。

  • 水分が足りていなかった
  • おやつが知らないうちに増えていた
  • 拭き方が、かえって濡れている時間を増やしていた

どれも特別なことではありません。

だからこそ、気づかないまま何年も続いてしまいます。

パターン1 水分が足りていなかった子

ドライフードだけの食事をしていて、お水もあまり飲まないわんちゃんのご相談です。

ドライフードは水分を飛ばして作られているので、食事から入ってくる水分はごくわずかです。

ですので、ドライだけの食事だと、飲んだ水の量がそのまま体に入る水分量になります。

この子の場合は、ごはんにぬるま湯をかけてふやかすところから始めました。

ふやかすと香りが立つので食べる量も安定して、結果として1日に入る水分がはっきり増えます。

そこから2か月ほどで、目の下の新しい毛の色が変わってきました。

やり方としては、お湯を注いでから5分ほど置いて、指で軽くつぶせるくらいになってからお出しします。

熱いまま出すと香りが強すぎて食べない子もいるので、人肌くらいまで冷ましてください。

お水をあまり飲まない子は、器の問題であることもあります。

ひげが当たる深さの器を嫌がる子、床置きだと飲みにくい子。

器を浅いものに替えただけで飲む量が増えた、というご相談もありました。

パターン2 おやつが増えていた子

しつけやお留守番のごほうびで、少しずつおやつが増えていたご相談です。

飼い主さんご自身は「少ししかあげていない」と思っておられることが多いのですが、1日ぶんを紙に書き出してみると、主食を上回っていることがあります。

おやつは主食よりも味を濃くしてあることが多いので、ここが増えると全体の内容が変わってしまいます。

この子は、おやつを半分にして、減らしたぶんを主食のトッピングに回しました。

もらえる回数は変えずに、中身だけを入れ替えた形です。

わんちゃんの満足は減らさずに、1日の内容を変えられます。

パターン3 拭き方が逆効果になっていた子

毎日ていねいに拭いているのに変わらない、というご相談です。

よくお聞きすると、濡らしたコットンで拭いて、そのまま終わりにされていました。

拭いた直後がいちばん濡れている状態になってしまうので、これだと濡れている時間はむしろ増えてしまいます。

やり方としては、ぬるま湯で湿らせたガーゼで汚れをふやかしてからそっと拭き取り、そのあと乾いたガーゼでもう一度押さえて、水分を残さないところまでを1セットにします。

この最後のひと手間を足しただけで、見え方が変わった子もいます。

西川友保

3つとも、道具を買い足さずに今日から変えられることです。

まずはここからで十分だと思います。

解消までの道のりを、週単位で追うとこうなります

何をいつやるか、という順番でまとめます。

ご自分のわんちゃんがいまどのあたりにいるか、重ねながら読んでみてください。

期間はあくまで目安で、前後して構いません。

  • 1週目 いまの状態を記録する
  • 2週目から3週目 拭き方と水分を整える
  • 1か月目から2か月目 食事を1つだけ変える
  • 2か月目から3か月目 写真を見比べて判断する

この順番にしているのは、あとから「何が効いたのか」を自分で説明できるようにするためです。

一度にいくつも変えてしまうと、うまくいっても次に活かせません。

1週目 いまの状態を記録する

最初の1週間は、何も変えません。

写真を撮ることと、1日に食べたものを書き出すことだけをします。

写真は、同じ場所・同じ時間・同じ角度で撮ってください。

窓際の自然光で、正面から顔全体が入るように撮るのがいちばん分かりやすいと思います。

照明の下で撮ると、日によって色の見え方が変わってしまいます。

食べたものは、主食の量だけでなく、おやつ、トッピング、人のごはんの切れ端まで含めて書き出します。

ここで初めて「思っていたより多い」と気づかれる方が多いです。

2週目から3週目 拭き方と水分を整える

ごはんのあとと、散歩から帰ったあと。

1日2回を目安に、濡れていたら拭くという形にします。

回数そのものより、濡れた状態を長く置かないことが目的です。

あわせて、水分を増やす工夫をひとつだけ足します。

ごはんにぬるま湯をかける、お水の器を置く場所を増やす、ゆで汁をかける。

どれでも構いませんが、この時期に足すのは1つだけにしてください。

食事の中身はまだ変えません。

ここを我慢できるかどうかで、あとの判断の精度が変わります。

1か月目から2か月目 食事を1つだけ変える

拭き取りと水分が習慣になったら、食事に手をつけます。

変えるのは1つだけです。

主食そのものを替えるか、主食は変えずにトッピングを足すか。

お腹が弱い子であれば、トッピングから始めるほうが安全です。

切り替えるときは1週間から2週間かけて、少しずつ割合を動かしていきます。

急に全部を入れ替えると、お腹の調子を崩してしまうことがあります。

そうなると、涙やけの話どころではなくなってしまいます。

2か月目から3か月目 写真を見比べて判断する

1週目に撮った写真と、いまの写真を並べて見ます。

鏡で毎日見ていると変化に気づけないので、写真で比べるのがいちばん確実です。

見るところは、すでに茶色くなっている部分ではなく、目のきわの新しく伸びてきた毛です。

ここが白いままなら、方向は合っています。

変わっていないようであれば、次の章の見落としに当てはまっていないかを確かめてください。

「フードを変えたら解消した」という話の、本当のところ

ネットでよく見かける「フードを変えたら涙やけが治った」という体験談、気になりますよね。

正直なところをお伝えします。

  • フードだけが効いたとは限らない
  • それでも食事から見直す価値はある
  • 変えるときは時間をかける

フードだけが効いたとは限らない

フードを変えようと思った飼い主さんは、たいてい同じ時期に拭き取りも始めていますし、おやつも控えています。

ですので、あとから振り返ると、フードだけが効いたのか、他のことが効いたのかは分からなくなっています。

これは体験談を書いた方が不正確なのではなく、同時にいくつも変えたからそうなる、というだけのことです。

だからこそ、ご自身の子で試すときは1つずつにしてほしいと思います。

それでも食事から見直す価値があるのはなぜか

涙やけの茶色の正体は、ポルフィリンという鉄を含む成分です。

涙に含まれて出てきたものが、空気に触れて酸化すると茶色く見えます。

鉄は体に必要なものなので、入れないという選択はありません。

ただ、食事から入る水分が増えると、体の中をめぐる量とのバランスが変わります。

食事を見ていただきたいのは、こうした理由からです。

詳しくは「犬の涙やけは食事で変わる?2つのタイプの見分け方」にまとめています。

マンマボーノがドライとウェットの組み合わせをご提案しているのも、食事からとれる水分を増やしたいからです。

変えるときは1週間から2週間かけて

新しいごはんに替えるときは、いまのごはんに少しずつ混ぜながら、1週間から2週間かけて割合を入れ替えます。

初日は新しいものを1割、3日目で3割、1週目の終わりで半分、というくらいのゆっくりさで十分です。

お腹がゆるくなったら、前の割合に戻して数日様子を見てから、また進めてください。

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変わらなかったときに、見落としていること

3か月続けても写真が変わらない。

そういうご相談もあります。

ここまでやったのに、と思われますよね。

そのときに確かめていただきたいのは、次の4つです。

  • 期間が足りていない
  • 一度にいくつも変えている
  • 目の下が乾いている時間が増えていない
  • そもそも食事で変わる余地が少ないタイプ

期間が足りていない

いちばん多いのがこれです。

1か月で判断してしまうと、顔まわりの毛がまだ入れ替わっていないので、変化が見た目に出てきません。

3か月というのは長く感じますが、写真を1週間に1枚ずつ撮っておくと、あとで並べたときに動きが見えます。

毎日見ていると分かりません。

一度にいくつも変えている

フードもおやつもサプリも一度に変えると、仮に良くなっても何が効いたのか分かりませんし、お腹を崩したときにどれが合わなかったのかも分かりません。

戻すときに全部を戻すことになってしまうので、結果として振り出しに近いところへ戻ります。

目の下が乾いている時間が増えていない

拭いてはいるけれど、拭いたあと乾いたガーゼで押さえていない。

1日2回のつもりが実際は週に数回になっている。

このあたりは、やっているつもりとのズレが出やすいところです。

1週間だけ、拭いた回数をカレンダーに印をつけてみてください。

思っていたより少なかった、ということがよくあります。

そもそも食事で変わる余地が少ないタイプ

涙の通り道そのものが細い、または詰まっているタイプの場合は、食事や拭き取りで変えられる部分が限られます。

生まれつきの骨格や顔の作りによるもので、飼い主さんの努力の問題ではありません。

片目だけに出ている、生まれたときからずっと同じ、といった場合はこちらの可能性があります。

見分け方は「犬の涙やけは食事で変わる?2つのタイプの見分け方」にまとめています。

メモ

3か月やってみて変わらなかったとしても、その3か月は無駄ではありません。

水分とおやつの量が整った状態は、涙やけとは別のところで体に返ってきます。

おうちの環境で、涙の量に関わっていること

食事と拭き取りのほかに、見落とされやすいのが身のまわりの環境です。

涙は、目に入ってきたものを流すために増えます。

ですので、目に入るものが減れば、涙の量も落ち着いていきます。

  • 顔まわりの毛が目に入っていないか
  • シャンプーやドライヤーの当て方
  • 散歩のあとに顔を洗っているか

顔まわりの毛が目に入っていないか

目の上の毛が伸びて、まばたきのたびに目の表面をこすっている子がいます。

これは涙が増える直接の理由になるので、まず確かめていただきたいところです。

おうちで切るのは危ないので、トリミングのときに「目の上を短めに」とお願いしてください。

目のきわは皮膚が薄いので、ご自身でハサミを入れるのはおすすめしません。

毛が目に入っていた子の場合、カットしただけで涙の量が目に見えて減ることがあります。

食事を考える前に、ここを見ておく価値はあります。

シャンプーとドライヤーの当て方

シャンプーの泡が目に入ると、しばらく涙が増えます。

顔は最後に、泡を手でなじませる程度にして、流すときは下を向かせてあげてください。

ドライヤーも、顔に直接当てると目が乾いて、かえって涙が出ることがあります。

顔まわりは温風を遠くから当てるか、タオルで押さえて乾かすほうが落ち着きます。

散歩のあとに顔を洗っているか

散歩から帰ったあと、足は拭いても顔はそのまま、というお宅は多いと思います。

地面に近いところを歩いているので、顔まわりにはほこりや花粉がついています。

ぬるま湯で湿らせたガーゼで、目のまわりを軽く押さえるだけで構いません。

これを拭き取りと同じタイミングにしておくと、別の手間が増えずにすみます。

解消したあと、元に戻さないために

落ち着いたあとに、また戻ってしまうご相談もあります。

続けていただきたいのは、次の3つだけです。

  • 拭き取りは1日1回に減らしてもいいので、やめない
  • 水分を足す工夫は、そのまま続ける
  • おやつの量は、増えてきたら書き出して確かめる

やめた瞬間に戻るわけではない

拭き取りをやめても、次の日に茶色くなるわけではありません。

じわじわ戻るので、気づいたときにはかなり進んでいます。

だからこそ、落ち着いてからのほうが続けにくくなります。

毎日やろうと思わず、気づいたときに拭く、くらいの気持ちで構いません。

季節で戻ることがある

春先や秋口に、また増えたというご相談が集まることがあります。

空気中の花粉やほこりで目が刺激されると、涙の量が一時的に増えるためです。

この時期だけ拭き取りの回数を戻していただくと、通り過ぎることが多いです。

毎年同じ時期に出るようであれば、一度動物病院で相談されるのもよいと思います。

動物病院に相談したほうがいいサイン

ここまでは、おうちでできることの話です。

次のような様子があるときは、食事や拭き取りの前に、動物病院で見てもらってください。

  • 片目だけ涙が多い
  • 急に涙の量が増えた
  • 目をこする、まぶたが腫れている
  • 目の表面が白っぽく見える
  • 目やにの色が黄色や緑っぽい

片目だけ、または急に増えた

食事が原因であれば、両目に同じように出るのが自然です。

片目だけ、または急に変わったときは、まつげやごみが入っている、目の表面に傷があるといったことが考えられます。

こうした場合は、おうちでできることをいくら積み重ねても変わりません。

むしろ時間を使ってしまうぶん、見つけるのが遅れてしまいます。

痛がる様子があるとき

目をこする、まばたきが増える、顔を触られるのを嫌がる。

こうした様子があるときは、痛みや違和感が出ている可能性があります。

涙やけの見た目は後回しにして、先に診てもらってください。

よくある質問

犬の涙やけが治ったという話をよく見ますが、本当に変わりますか?

変わるわんちゃんと、あまり変わらないわんちゃんがいます。

涙があふれて目の下に残っているタイプであれば、水分と拭き取りと食事で変わる余地があります。

涙の通り道そのものが細いタイプの場合は、変えられる部分が限られます。

どのくらいの期間で変わりますか?

目安は2か月から3か月です。

すでについた色が消えるのではなく、新しく伸びてくる毛が白いままになる、という形で変わっていきます。

フードを変えるだけで解消しますか?

フードだけで変わる子もいますが、多くの場合は拭き取りとおやつの量も一緒に動いています。

フードだけを変えて他をそのままにすると、変化が分かりにくくなりますよね。

サプリメントは使ったほうがいいですか?

使うとしても、食事と拭き取りを整えたあとにしてください。

先に足してしまうと、何が効いたのかが分からなくなりますよね。

一度落ち着いたのに、また出てきました

拭き取りの回数が減っている、おやつが増えている、季節の変わり目にあたっている。

この3つのどれかに当てはまることが多いのではないでしょうか。

まずは1週間、記録をつけ直してみてください。

まとめ

涙やけが解消していったわんちゃんに、特別なことをしたわんちゃんはいませんでした。

記録をつけて、濡れている時間を減らして、食事を1つだけ変えて、3か月待つ。

この順番を守ったわんちゃんが、結果として変わっています。

今日からできるのは、写真を1枚撮ることと、1日に食べたものを書き出すことです。

そこから始めてみてください。

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