冷蔵庫からチーズを出すと、どこにいてもわんちゃんが飛んでくる、ということはありませんか。
犬にチーズを与えてよいかで迷っている方に先にお伝えすると、チーズは種類と量を選べば与えられる食材です。
ただ、人のチーズでもいいのか、さけるチーズやクリームチーズはどうか、どれくらいまでなら大丈夫なのか、と手が止まっている方もいらっしゃると思います。
この記事では、チーズの種類ごとの塩分とカロリーから、量の決め方、犬用チーズや硬いチーズのおやつの扱いまでをまとめました。
人のチーズ料理で避けたいものと、気をつけたい子のことも入れています。
読み終わるころには、冷蔵庫のチーズの中から、わんちゃんに使えるものを選べるようになるはずです。
犬にチーズを与えても大丈夫です
結論からお伝えすると、犬にチーズを与えて問題ありません。
ただし守っていただきたいことが3つあるので、先にそれをお伝えします。
- 塩分の少ない種類を選ぶこと
- 量を先に決めて、少しにとどめること
- チーズを使った人の料理は与えないこと
この3つを知らないまま、家族のおつまみのチーズを1切れずつ渡したり、ピザの端を分けたりすると、どうなるでしょうか。
チーズそのものではなく、塩分やカロリー、一緒に入っているもののほうで、わんちゃんが体調を崩してしまうことがあります。
チーズはわんちゃんに与えてよい食材で、塩分の少ない種類を少しだけ使います。
犬が食べてはいけない食材として挙げられるものではないためです。
ただしチーズは種類によって塩分が10倍以上違い、どれもカロリーが高いので、選び方と量を決めておく必要があります。
たとえば塩分の少ないモッツァレラを5mm角に切り、主食の上に2〜3個のせます。
それだけで、ごちそうらしい一皿になりますよね。
つまり与えてよいかどうかで迷う必要はなく、迷うとすれば、どの種類をどれだけ使うかのほうです。
ポイント
チーズは、塩分の少ない種類を選び、主食の1割までの少量を、小さく切って与えてください。
犬に与えるチーズの種類ごとの塩分とカロリー
では、どのチーズを選べばよいのでしょうか。
種類ごとの違いを、3つに分けてお伝えします。
- 塩分が少ないのは、モッツァレラ・クリーム・カッテージ
- プロセスやカマンベールは、塩分が多め
- パルメザンとブルーは、塩分がいちばん多い
「チーズ」とひとまとめにして選ぶと、知らないうちに塩分の多い種類ばかりになることがあります。
| チーズの種類 | 食塩相当量(100gあたり) | カロリー(100gあたり) | この記事での扱い |
|---|---|---|---|
| モッツァレラ | 0.2g | 269kcal | 主食の1割まで |
| クリーム | 0.7g | 313kcal | 主食の1割まで |
| カッテージ | 1.0g | 99kcal | 主食の1割まで |
| カマンベール | 2.0g | 291kcal | その半分まで |
| ゴーダ | 2.0g | 356kcal | その半分まで |
| チェダー | 2.0g | 390kcal | その半分まで |
| プロセス | 2.8g | 313kcal | その半分まで |
| パルメザン | 3.8g | 445kcal | 使わない |
| ブルー | 3.8g | 326kcal | 使わない |
出典:日本食品標準成分表(八訂)の値を掲載した日本乳業協会の資料
塩分が少ないのは、モッツァレラ・クリーム・カッテージ
チーズを選ぶなら、モッツァレラ、クリーム、カッテージの3つから選んでください。
100gあたりの食塩相当量が0.2〜1.0gと、ほかの種類より少ないためです。
たとえばモッツァレラは0.2gで、プロセスチーズの2.8gと比べると、10分の1以下です。
カッテージはカロリーも100gで99kcalと、チーズの中ではいちばん低くなっています。
冷蔵庫に何種類かあるなら、まずこの3つから使ってみてください。
プロセスやカマンベールは、塩分が多め
プロセスチーズやカマンベール、ゴーダ、チェダーは、使うなら、量をさらに半分にしてください。
100gあたりの食塩相当量が2.0〜2.8gと、モッツァレラの10倍以上あるためです。
犬は人以上に塩分のとりすぎに気をつけたいと、環境省のガイドラインにも書かれています。
個包装のスライスチーズや6Pチーズの多くは、プロセスチーズです。
手に取りやすいぶん出番が増えやすいので、パッケージの種類別の表示を一度見てみてください。
パルメザンとブルーは、塩分がいちばん多い
パルメザンとブルーチーズは、わんちゃんには使わないでください。
100gあたりの食塩相当量が3.8gと、表の中でいちばん多いためです。
たとえば粉チーズの多くはパルメザンなどの硬いチーズを削ったもので、少し振るつもりでも量がつかみにくくなります。
ごはんに香りを足したいときは、粉チーズではなく、味をつけていないだしや削り節にしてください。
ブルーチーズは香りが強く、テーブルに出しっぱなしにすると欲しがる子もいるので、置き場所にも気をつけます。
犬によく聞かれるチーズの扱い
ここからは、ご相談の多いチーズを1つずつ見ていきます。
- さけるチーズ
- クリームチーズ
- スライスチーズと6Pチーズ
同じ「チーズ」でも、商品によって塩分の表示が違うので、パッケージを見る習慣をつけておくと迷いません。
さけるチーズ
さけるチーズは、細くさいて、ひと口ぶんだけにしてください。
商品によって塩分が違い、1本まるごとでは小型犬には量が多すぎるためです。
たとえば「さけるチーズを、ほんの少しなら食べても大丈夫か」という質問を見かけることがあります。
パッケージの栄養成分表示で食塩相当量を確かめ、プロセスチーズと同じくらいなら、半分の量の側で考えます。
長いままだと丸のみしやすいので、5mmほどの長さに切ってから出してください。
クリームチーズ
クリームチーズは、塩分は少なめですが、カロリーが高いので量を決めてください。
100gあたりの食塩相当量は0.7gですが、カロリーは313kcalと、プロセスチーズと同じくらいあるためです。
たとえば「犬に毎日、クリームチーズをあげても大丈夫か」という質問は、とても多くの方に読まれています。
毎日あげるなら、主食の1割までにして、そのぶん主食を減らしてください。
甘みや香りがついたクリームチーズは、砂糖や香料が入っていることがあるので避けます。
スライスチーズと6Pチーズ
スライスチーズや6Pチーズは、プロセスチーズのことが多いので、量を半分の側で考えてください。
プロセスチーズは、100gあたりの食塩相当量が2.8gあるためです。
たとえばスライスチーズを1枚そのまま渡すと、小型犬にはそれだけで1日の目安を超えてしまいます。
使うなら、キッチンばさみで1cm角に切り、1〜2切れを主食にのせる程度にします。
とろけるタイプも同じプロセスチーズなので、扱いは変わりません。
犬にチーズを与えるときの量の目安
では、どれくらいまでなら足してよいのでしょうか。
チーズは野菜よりカロリーも塩分も高いので、3つに分けてお伝えします。
- 量は主食から逆算する
- 塩分の多い種類は、さらに半分にする
- 家族のあいだで1日の量をそろえる
目安を持たないまま、喜ぶからと毎日少しずつ足していくと、体重が少しずつ増えたり、主食を残したりする子がいます。
| 1食の主食の量 | モッツァレラ・クリーム・カッテージ | プロセス・カマンベールなど |
|---|---|---|
| 50g | 5gまで | 2〜3gまで |
| 100g | 10gまで | 5gまで |
| 150g | 15gまで | 7〜8gまで |
| 200g | 20gまで | 10gまで |
量は主食から逆算する
チーズの量は、いま食べている主食の量から逆算してください。
同じ体重でも運動量や年齢によって主食の量は変わるので、体重だけでは決まらないためです。
たとえば1食で主食を50g食べている子なら、モッツァレラは5gまでが目安です。
5mm角に切ると、数個ほどの量になります。
足した日はそのぶん主食を減らすのが、ほかの食材と同じ基本です。
塩分の多い種類は、さらに半分にする
プロセスやカマンベールなど塩分の多い種類は、表の右側の量、つまり半分までにしてください。
同じ重さでも、モッツァレラの10倍以上の塩分が入るためです。
たとえば主食を50g食べる子なら、プロセスチーズは2〜3gで、スライスチーズの小さな角切り1〜2個ほどです。
種類が分からないチーズは、塩分の多い側として扱ってください。
毎日使うなら、モッツァレラやカッテージのほうに寄せてください。
家族のあいだで1日の量をそろえる
チーズは、家族の誰があげても同じ量になるよう、1日ぶんを先に分けておいてください。
冷蔵庫を開けるたびに家族それぞれが1切れずつあげると、合わせた量が目安を大きく超えてしまうためです。
たとえば朝のうちに、その日のぶんを角切りにして小さな器に入れておきます。
器が空になったら、その日はおしまい、と家族で決めておくと迷いませんよね。
毎日あげるなら、卵やにんじんと日替わりにすると、同じ食材に偏りません。
犬用チーズや、硬いチーズのおやつの扱い
犬用として売られているチーズのおやつも、いろいろあります。
- 犬用チーズは、原材料と量を見る
- 硬いチーズのおやつは、丸のみさせない
- おやつの日は、主食を減らす
犬用だから大丈夫、と量を決めずに出すと、人のチーズと同じように、カロリーや塩分が積み重なっていきます。
犬用チーズは、原材料と量を見る
犬用のチーズは、原材料と、1日の目安量を見てから選んでください。
犬用でも、チーズ以外の材料や調味料が入っているものがあるためです。
たとえば原材料欄に、チーズのほかに砂糖や食塩、香料が並んでいないかを確かめます。
パッケージに書かれた1日の目安量も、主食を食べたうえでの量かどうかを見ておいてください。
迷ったら、原材料の少ないものから試すと安心です。
硬いチーズのおやつは、丸のみさせない
ヒマラヤチーズのような硬いチーズのおやつは、大きさを合わせ、小さくなったら取り上げてください。
かじって小さくなったかけらを、そのまま丸のみしてしまうことがあるためです。
たとえば「硬いおやつをあげると飲み込んでしまう」「ヒマラヤチーズは何分くらいで食べ終わるのか」という質問を見かけることがあります。
与えるときは目を離さず、親指の先ほどの大きさになったら、別のおやつと交換して取り上げます。
歯や口に不安がある子は、硬いものを与える前にかかりつけに相談してください。
おやつの日は、主食を減らす
チーズのおやつを出した日は、そのぶん主食を減らしてください。
おやつのぶんだけ、その日の食事の量が増えてしまうためです。
たとえば硬いチーズを1本かじった日は、夕食の主食を少しだけ減らします。
おやつは、主食の1割までに、ほかの食材とまとめて収めるのが基本です。
体重を月に1回量っておくと、量が合っているかが分かります。
人のチーズ料理で、犬に与えないもの
チーズそのものは大丈夫でも、チーズを使った人の料理は別に考えます。
- チーズケーキ
- ピザやグラタン、チーズ入りのパン
- チーズたらやスモークチーズなどのおつまみ
チーズが入っているかではなく、何と一緒に調理したかで決めてください。
チーズケーキ
人のチーズケーキは、与えないでください。
砂糖やバター、生クリームをたっぷり使ったお菓子だからです。
たとえば「チーズケーキを食べてしまった」という検索も、毎月見られます。
少しなめた程度なら、うんちと様子を2日ほど見て、吐く、下痢が続くといったときはかかりつけに相談してください。
お祝いの日は、犬用として作られたケーキを用意してあげてください。
ピザやグラタン、チーズ入りのパン
ピザやグラタン、チーズ入りのパンは、端の部分でも与えないでください。
チーズのほかに、玉ねぎや塩、バター、ソースが一緒に使われていることが多いためです。
たとえばピザの耳にも、生地の塩や、上にのった具の味がしみています。
グラタンのホワイトソースには、玉ねぎやバターが入っていることがあります。
家族で食べるときは、わんちゃんの届かないテーブルの奥に置いてください。
チーズたらやスモークチーズなどのおつまみ
チーズたらやスモークチーズ、チーズかまぼこは、与えないでください。
おつまみ用に、塩や調味料でしっかり味をつけてあるためです。
たとえばチーズたらは、味をつけた魚のシートでチーズをはさんだものです。
スモークチーズも、おつまみ向けに味の濃いものが多くなっています。
晩酌のときは、わんちゃんのぶんとして、味をつけていない削り節などを別に用意しておくと安心です。
犬にチーズを与えるときに気をつけたい子
同じ量でも、慎重に始めたほうがよい子がいます。
次の4つに当てはまる子は、少しずつ進めてください。
- 牛乳を飲むとお腹がゆるくなる子
- 食べ物でかゆみなどが出たことのある子
- かかりつけから食事の指示を受けている子
- 子犬とシニアの子
どの子にも同じ量を出すと、合わなかったときに、何が原因だったのかが分からなくなります。
牛乳を飲むとお腹がゆるくなる子
牛乳でお腹がゆるくなったことのある子は、チーズも目安の半分から試してください。
チーズも牛乳から作られる食品なので、同じようにお腹が合わない子がいるためです。
たとえばモッツァレラを5mm角で1個だけ主食にのせ、半日ほどうんちの様子を見ます。
いつもどおりなら、次の日から少しずつ増やします。
ゆるくなったら、そこでやめて、ほかの食材にしてください。
食べ物でかゆみなどが出たことのある子
食べ物でかゆみなどが出たことのある子は、チーズを足す日は、ほかの新しい食材を足さないでください。
何種類も一度に足すと、合わなかったときにどれが原因か分からなくなるためです。
たとえばチーズを3日ほど続けて、体をかく、目や口のまわりが赤くなる、うんちがゆるいといった変化がないかを見ます。
気になる変化がなければ、次の食材に進みます。
変化があれば、そこで止めてかかりつけに相談してください。
かかりつけから食事の指示を受けている子
かかりつけから食事の指示を受けている子は、足す前に相談してください。
指示のある食事は、塩分も含めて全体を計算して組まれているためです。
たとえば療法食を食べている子に、薬を包むつもりでチーズを使うと、その計算が変わってしまいます。
薬を飲ませる方法も含めて、かかりつけに「チーズを使ってもよいか」と聞いてみてください。
相談するときは、チーズの種類と量まで具体的に伝えると話が早くなります。
注意
かかりつけから食事について指示を受けている子は、この記事の目安ではなく、そちらの指示を優先してください。
子犬とシニアの子
子犬やシニアの子には、やわらかい種類を、細かくしてから出してください。
噛む力や飲み込む力が、大人の子とは違うためです。
たとえばカッテージチーズなら、そのまま小さじで主食に混ぜられます。
硬いチーズのおやつは、歯が生えかわる時期の子犬や、歯の弱ったシニアの子には向きません。
シニアの子の食事の工夫は、老犬がごはんを食べないときの記事にもまとめています。
マンマボーノの台所から
最後に、チーズの代わりにマンマボーノの工房でよく使っているものをお伝えします。
- 香りを足したいときは、塩無添加の削り節
- チーズを使うなら、モッツァレラを少し
チーズを欲しがる子でも、香りの足し方をいくつか知っておくと、チーズに頼らずにすみます。
香りを足したいときは、塩無添加の削り節
ごはんに香りを足したいときは、塩を使わずに作った削り節をひとつまみかけています。
チーズのように塩分を気にせず、香りでごはんのきっかけを作れるためです。
たとえば塩無添加 鹿児島枕崎 かつお削り節は、塩を使わずに加工したかつおの削り節で、ナトリウムは0.1%です。
1日1〜2gを目安に、主食の上にふりかけます。
お湯にひとつまみ入れて3〜5分置けば、だしとしても使えます。
チーズを使うなら、モッツァレラを少し
特別な日にチーズを使うなら、モッツァレラを小さく切って、少しだけ添えています。
塩分が少なく、やわらかくて噛みやすいためです。
たとえば、ゆでた鶏肉と野菜にモッツァレラを2〜3個のせて、器ごと少し温めると香りが立ちます。
熱いままだとチーズが口の中に張りつくので、人肌まで冷ましてから出してください。
ふだんは削り節、特別な日はモッツァレラ、と分けておくと量も決めやすくなりますよね。

チーズを欲しがる子には、まず塩無添加の削り節で香りを足すところから、とお伝えしています。
犬とチーズについてよくある質問
犬にチーズを毎日あげても大丈夫ですか
塩分の少ない種類を、主食の1割までにするなら毎日でも構いません。
ただ、卵や野菜と日替わりにするほうをおすすめします。
人用のチーズでも大丈夫ですか
モッツァレラ、クリーム、カッテージなど塩分の少ない種類なら、少量を使えます。
プロセスチーズなどは量を半分にし、パルメザンやブルーチーズは使わないでください。
粉チーズをごはんにかけてもいいですか
粉チーズの多くは塩分の多い硬いチーズを削ったものなので、使わないでください。
香りを足したいときは、塩無添加の削り節を少しかけてください。
チーズを大量に食べてしまいました
何を、いつ、どれくらい食べたかを確かめて、かかりつけに連絡してください。
吐く、水をたくさん飲む、元気がないといった変化があるときは、すぐに動物病院へ連れていってください。
薬を飲ませるときにチーズで包んでもいいですか
薬によっては、食べ物と一緒に与えないほうがよいものもあるので、かかりつけに確かめてから使ってください。
まとめ
犬にチーズを与えてよいかどうかで、迷う必要はありません。
迷うとすれば、どの種類を選ぶかと、どれくらい出すかの2つです。
モッツァレラ、クリーム、カッテージなど塩分の少ない種類を選び、主食の1割までにします。
プロセスチーズなどは量を半分にし、パルメザンやブルーチーズ、人のチーズ料理は与えません。
香りを足したいだけなら、塩無添加の削り節で代わりになります。
今度チーズを切るときに、モッツァレラを5mm角で1個だけ、わんちゃんのぶんに取り分けてみてください。



