鮭を焼いていると、台所の足もとでわんちゃんがじっと待っている、ということはありませんか。
犬にサーモンをあげてよいかで迷っている方に先にお伝えすると、サーモンは加熱して味をつけなければ、あげられる食材です。
ただ、刺身ならそのままでいいのか、塩鮭は少しならどうか、皮や骨はどうするのか、と手が止まっている方もいらっしゃると思います。
この記事では、サーモンの加熱の仕方と量の目安から、刺身や塩鮭、スモークサーモンの扱いまでをまとめました。
皮と骨の外し方や、気をつけたい子のことも入れています。
読み終わるころには、焼いた鮭のどの部分を、どれだけ取り分ければよいかがわかるはずです。
犬にサーモンは、加熱して味をつけなければあげられます
結論からお伝えすると、犬にサーモンをあげて問題ありません。
ただし生のままと、味のついたものは避けてください。
- 刺身・生のサーモンは避けて、中まで火を通す
- 鮭とサーモン、犬にあげるときは同じ考え方でOK
この2つを先に押さえておくと、売り場や冷蔵庫の前で迷う時間がぐっと減ります。
刺身・生のサーモンは避けて、中まで火を通す
わんちゃんにサーモンをあげるときは、生ではなく、中まで火を通したものにしてください。
サケの仲間には、アニサキスという寄生虫がいることがあるためです。
農林水産省の資料でも、アニサキスがいる魚の例としてサケが挙がっています。
たとえば、人用の刺身として売られているサーモンでも、わんちゃんのぶんは火を通してから取り分けます。
身が白っぽく変わり、箸でほろっとほぐれるまで火を通せば安心です。
鮭とサーモン、犬にあげるときは同じ考え方でOK
「鮭」と「サーモン」は、わんちゃんにあげるときは同じように考えてかまいません。
呼び方が違っても、加熱すること、味をつけないこと、骨を取ることの3つは変わらないためです。
たとえば、売り場では焼き魚用の切り身を「鮭」、刺身用のものを「サーモン」と呼ぶことがよくあります。
どちらを買っても、味のついていない生の切り身を選び、家で火を通せば使えます。
パックに「甘塩」「塩」と書かれていないかだけ、手に取ったときに見てください。
アジやタラなど、ほかの魚の扱いは犬に魚をあげるときの記事にまとめています。
ポイント
サーモンは、味のついていない生の切り身を中まで加熱し、骨と皮を外して、主食の1割ほどまであげてください。
犬にサーモンをあげるときの3つの約束
では、家でサーモンを用意するときに、何に気をつければよいのでしょうか。
守っていただきたいことは3つです。
- 中心までしっかり加熱する
- 塩・しょうゆ・バターで味をつけない
- 骨を取り、小さくほぐす
どれか1つが抜けると、せっかくのサーモンが、わんちゃんの負担になってしまうことがあります。
中心までしっかり加熱する
サーモンは、表面だけでなく、中心まで火を通してください。
農林水産省の資料では、アニサキスは中心の温度が60℃で1分以上の加熱で死ぬとされているためです。
たとえば厚みのある切り身は、外は焼けていても、真ん中がまだ赤いことがあります。
ほぐしたときに中が半透明なら、もう少し火を通してください。
電子レンジだけで加熱すると、場所によって火の通り方にむらが出やすいので注意しましょう。
蒸す、ゆでる、焼くのどれでもかまわないので、ふだん作りやすい方法で用意します。
塩・しょうゆ・バターで味をつけない
わんちゃんのぶんは、味をつける前に取り分けてください。
犬は人以上に塩分のとりすぎに気をつけたいと、環境省のガイドラインに書かれているためです。
たとえば鮭のムニエルなら、塩こしょうをふる前に、1切れの端を切って別に焼きます。
バターやマヨネーズも、香りが強く脂が多いので使いません。
家族の料理と同じフライパンで焼くなら、わんちゃんのぶんを先に焼いて取り出しておくと迷いませんよね。
骨を取り、小さくほぐす
加熱したサーモンは、骨を取りながら、小さくほぐしてからあげてください。
鮭の骨は細くて硬く、のどや口の中に刺さることがあるためです。
たとえば切り身のまん中には、背骨のほかに、細い骨が並んでいることがあります。
指先で身をつぶすようにほぐすと、箸で探すより骨に気づきやすいはずです。
小型犬なら5mmほど、中型犬以上でも1cmほどまでほぐすと、丸のみを防げます。
刺身・塩鮭・スモークサーモンはあげていい?
では、家にあるサーモンのうち、どれなら使えるのでしょうか。
種類ごとの扱いを、先に表でまとめます。
| サーモンの種類 | あげていいか | 理由 |
|---|---|---|
| 味のついていない生の切り身 | 加熱すればOK | 家で火を通し、味つけ前に取り分けられる |
| 刺身・生のサーモン | 避ける | 寄生虫がいることがあり、生の魚は消化もよくない |
| 塩鮭(甘塩・辛口) | 使わない | 塩をして売られている |
| 鮭フレーク | 使わない | 塩や調味料で味がついている |
| スモークサーモン | 使わない | 塩をしてから燻製にしている |
| お寿司・おにぎりの具 | 使わない | 酢飯や塩、しょうゆと一緒になっている |
| ホイル焼き・ちゃんちゃん焼き | 取り分けない | 玉ねぎや味噌、バターと一緒に火を通している |
- 刺身・生のサーモンは、わさびや酢があっても避ける
- 塩鮭・鮭フレーク・スモークサーモンは使わない
- お寿司やおにぎりの具も、おすそわけしない
- ホイル焼きやちゃんちゃん焼きも、取り分けない
表の「使わない」が多いのは、売り場のサーモンの多くに、はじめから味がついているからです。
刺身・生のサーモンは、わさびや酢があっても避ける
刺身や生のサーモンは、わんちゃんにはあげないでください。
アニサキスは、酢やしょうゆ、わさびでは死なないと、農林水産省の資料にあるためです。
環境省のガイドラインでも、生の魚は消化がよくないとされています。
たとえば「刺身を茹でてからあげていいか」と迷う方もいらっしゃるでしょう。
味のついていない刺身なら、中まで火を通せば使えるので、残ったぶんをだしで軽く煮て取り分けてください。
塩鮭・鮭フレーク・スモークサーモンは使わない
塩鮭や鮭フレーク、スモークサーモンは、少しでも使わないでください。
どれも塩をしてから売られているので、水で洗っても、わんちゃんには塩分が多すぎるためです。
たとえば「甘塩」と書かれた鮭も、塩の量が少なめというだけで、塩はしてあります。
朝ごはんの焼き鮭を分けたくなったら、わんちゃんの食器には主食だけを入れて、鮭はあきらめてもらいましょう。
そのかわり、別の日に無塩の切り身を用意してあげると、わんちゃんの楽しみが減りません。
お寿司やおにぎりの具も、おすそわけしない
サーモンのお寿司や、鮭のおにぎりは、具だけでもおすそわけしないでください。
生のサーモンに加えて、酢飯の塩や砂糖、しょうゆやわさびがついていることが多いためです。
たとえばお寿司のネタだけ外しても、しょうゆやわさびが身に残っていることがあります。
テーブルに置いたまま席を立つと、届いてしまう子もいるので、食べ終わるまで目を離さないようにします。
家族でお寿司を食べる日は、わんちゃんにも別に用意した蒸しサーモンを少し出してあげてください。
ホイル焼きやちゃんちゃん焼きも、取り分けない
鮭のホイル焼きやちゃんちゃん焼きは、身だけを取り出しても、わんちゃんには分けないでください。
玉ねぎや長ねぎなどのネギ類や、味噌、バターと一緒に火を通していて、その味や成分が身にしみこんでいるためです。
ネギ類は犬が食べてはいけない食材で、犬に野菜をあげるときの記事でも、渡さないものとしてまとめました。
たとえばホイル焼きを作る日は、玉ねぎをのせる前に、切り身の端を別のホイルで包んで焼きます。
家族の料理を作るついでに、わんちゃんのぶんを先に分けておくのがいちばん手軽ではないでしょうか。
サーモンの皮と骨はどうする?
焼いた鮭の皮や骨は、わんちゃんにあげてもよいのでしょうか。
扱い方は、次の2つです。
- 皮は脂が多いので、取り除くのが基本
- 骨は、加熱後にほぐしながらもう一度確認
どちらも、加熱したあとの、身をほぐす段階で外すのがいちばん楽です。
皮は脂が多いので、取り除くのが基本
サーモンの皮は、取り除いてから身だけをあげるのが基本です。
皮のすぐ下には脂が多く、たくさん食べるとお腹がゆるくなる子もいるためです。
たとえば焼いた鮭の皮はパリッとして香りがよく、わんちゃんが欲しがりやすい部分ですよね。
あげる場合は、よく焼いた皮を細かく刻み、ほんの少しにとどめてください。
皮は、焼いたり蒸したりしたあとのほうが、身からするっとはがれます。
うろこが残っていることもあるので、焼く前に包丁の背で軽くこそげておきます。
骨は、加熱後にほぐしながらもう一度確認
骨は、加熱する前と後の2回、確かめてください。
生のうちは見えにくい細い骨も、火を通すと身から浮いてきて見つけやすくなるためです。
たとえば骨抜きと書かれた切り身でも、細い骨が1〜2本残っていることがあります。
ほぐしたあと、器に広げて指先でなでるように確かめると、取り残しに気づけます。
もし骨を飲みこんでしまったら、量と様子を見て、気になることがあればかかりつけに相談してください。
犬にあげるサーモンの量の目安
サーモンは、どれくらいの量なら大丈夫なのでしょうか。
量の考え方は、次の2つです。
- 主食の1割ほどまで、はじめは小さじ1杯から
- 毎日より、ときどきのトッピングに
量を先に決めておくと、欲しがる顔を見ても、つい足しすぎることがなくなります。
主食の1割ほどまで、はじめは小さじ1杯から
サーモンの量は、主食の1割ほどまでを目安にしてください。
主食のほかに食べる量が多くなると、ふだんの食事のバランスがくずれやすいためです。
たとえば主食を100g食べる子なら、ほぐしたサーモンは10gほどまでにします。
はじめてあげる日は、小さじ1杯ほどから試し、翌日までうんちや皮ふの様子を見てください。
体の小さい子ほど、ひと口ぶんの割合が大きくなるので、少なめの側で考えてください。
サーモンを足した日は、そのぶん主食を少し減らすと、全体の量が変わりません。
毎日より、ときどきのトッピングに
サーモンは、毎日ではなく、ときどきのトッピングにしてください。
同じ食材ばかりが続くより、いくつかの食材を日替わりにするほうが、かたよりが出にくいためです。
たとえば、ある日はサーモン、次の日はゆで卵、その次は野菜というように回していきます。
サーモンは脂が多めの魚なので、ほかの日は脂の少ない食材を選ぶと、バランスが取りやすいでしょう。
手作りごはんの組み立て方は、犬の手作りごはんの記事にもまとめています。
サーモンをあげる前に気をつけたいわんちゃん
サーモンは多くの子にあげられる食材ですが、少し気をつけたい子もいます。
- 魚を食べたあと、かゆがる・お腹がゆるくなる子
- 子犬・シニア犬、かかりつけから食事の指示を受けている子
当てはまる子は、量を減らしたり、かかりつけに先に相談したりしてください。
魚を食べたあと、かゆがる・お腹がゆるくなる子
魚を食べたあとに体をかいたり、お腹がゆるくなったりする子は、サーモンを使う前にかかりつけに相談してください。
食べ物が体に合わないときは、皮ふやうんちに変化が出ることがあるためです。
たとえば、はじめての日に口のまわりや耳をしきりにかくようなら、その日はやめておきます。
ほかの新しい食材と同じ日に試すと、どれが合わなかったのかわからなくなります。
サーモンを試す日は、ほかに新しいものを足さないようにしましょう。
子犬・シニア犬、かかりつけから食事の指示を受けている子
子犬やシニア犬は、量を少なめにし、いつもより細かくほぐしてください。
子犬はまだお腹が慣れていないことがあり、シニアの子は噛む力や飲みこむ力が弱っていることがあるためです。
たとえばシニアの子には、ほぐしたサーモンをだしでのばして、やわらかくしてから出します。
かかりつけから食事の指示を受けている子は、サーモンを足してよいか、先に相談してください。
シニアの子のごはんの工夫は、老犬がごはんを食べないときの記事も参考にしてください。
マンマボーノの台所:だしで蒸すサーモン
最後に、マンマボーノの工房でサーモンを用意するときのやり方をお伝えします。
- だしで蒸して、香りをつける
- 特別な日は、京おせちのサーモンクリームシチュー
味をつけないサーモンでも、だしを使うと香りが立ち、わんちゃんの食いつきも変わってくるはずです。
だしで蒸して、香りをつける
サーモンは、塩を使わず、だしで蒸して用意しています。
だしの香りがつくので、味をつけなくても、わんちゃんがよろこんで食べてくれるためです。
たとえば、無塩の生の切り身1切れを小鍋に入れ、だしを1cmほど張り、ふたをして弱めの中火で8〜10分ほど火を通します。
中まで白っぽくなったら火を止め、人肌まで冷ましてから、皮と骨を外してほぐしてください。
だしには京の一番だしを使っていて、昆布と鰹節、椎茸だけでひいただしなので、味をつけずに香りだけを足せます。
蒸したあとのだしも、冷ましてから主食に少しかけると、サーモンの香りごと楽しめます。
特別な日は、京おせちのサーモンクリームシチュー
お正月など特別な日には、犬用に作ったサーモンのお料理を用意するのもひとつの方法です。
わんちゃんのために作ったお料理なら、取り分けに迷わず、家族と同じ食卓を囲む気分を楽しめるためです。
たとえば犬の手作り京おせちには、サーモンクリームシチューが入っています。
犬のおせちの選び方は、犬のおせちの記事にまとめました。
ふだんはだしで蒸したサーモン、お正月は京おせち、と分けておくと、季節の楽しみも増えますよね。

サーモンは塩をせず、だしで蒸して香りをつけるところから、とお伝えしています。
犬とサーモンについてよくある質問
生のサーモンや塩鮭を食べてしまいました
何を、いつ、どれくらい食べたかを確かめて、かかりつけに連絡してください。
吐く、お腹をこわす、水をたくさん飲む、元気がないといった変化があるときは、すぐに動物病院へ連れていってください。
冷凍してあったサーモンなら、生のままでもいいですか
冷凍してあったサーモンでも、わんちゃんにあげるときは中まで加熱してください。
家の冷凍庫では温度や時間を確かめにくく、生の魚は消化もよくないためです。
サーモンを毎日あげてもいいですか
主食の1割ほどまでなら続けてもかまいませんが、卵や野菜と日替わりにするほうをおすすめします。
サーモンは茹でるのと焼くのと、どちらがいいですか
中まで火が通れば、どちらでもかまいません。
茹でたり蒸したりすると身がやわらかくなり、脂も少し落ちるので、シニアの子には食べやすくなります。
サーモンオイルはあげてもいいですか
サーモンオイルを足したいときは、量や合うかどうかを、かかりつけに相談してから使ってください。
いくらや筋子はあげてもいいですか
いくらや筋子は、塩やしょうゆで漬けてあることが多いので、使わないでください。
犬用のサーモンのおやつは使えますか
原材料と給与量の表示を確かめ、あげた日はそのぶん主食を減らしてください。
まとめて蒸して、冷凍しておけますか
蒸してほぐしたサーモンは、1回分ずつ小分けにして冷凍しておけます。
使う日に冷蔵庫で解凍し、軽く温めて人肌に冷ましてから出してください。
鮭の水煮缶は使えますか
多くの水煮缶には塩が入っているので、使うなら栄養成分表示で食塩相当量を確かめてください。
迷ったときは、無塩の生の切り身を家で蒸すほうが安心です。
まとめ
犬にサーモンをあげてよいかどうかで、迷う必要はありません。
迷うとすれば、どの状態のサーモンを、どれくらい出すかの2つです。
味のついていない生の切り身を中まで加熱し、骨と皮を外して、主食の1割ほどまでにします。
刺身や塩鮭、鮭フレーク、スモークサーモン、お寿司は、わんちゃんには使いません。
だしで蒸せば、味をつけなくても香りで楽しんでもらえます。
今度鮭を焼くときに、塩をふる前の切り身の端を、わんちゃんのぶんに取り分けてみてください。


